大海とむ先生の「悪し妻かたり」第6話(通わせた愛)を読んだのでレビュー&感想をご紹介します。
目次
悪し妻かたり6話~通わせた愛 注目ポイント
副題が示している通り、吉次郎と水松女は心を通わせました。あんな場面を目撃されてしまったら、もう水松女も言い逃れができません。
屋鉄のトラウマがあるから男性は苦手なのですが、ポロリと出る言葉は天然小悪魔か!?という水松女が最高です。それでも水松女は生粋の武将の妻というべき発言を繰り出しました。
そしてまたまた孫四郎!水松女への偏見はなかなか拭いきれないようで…。
悪し妻かたり6話~通わせた愛 あらすじ(ネタバレ注意)
水松女を優しく抱きながら、吉次郎はもう少し深く触れてもいいかと問うと唇を重ねてきました。目を丸くする水松女を愛おしそうに見つめる吉次郎…。
重ねた唇の温かさに
再び合わせた唇から、吉次郎の温もりが伝わってきます。こんなにも優しく愛おしく触れられたのは初めてでした。胸が痛いほど高鳴り、感じたことのない胸の疼きに戸惑う水松女。受け止めるのが精一杯で、握られた手が震えます。
怖がらせたかと心配する吉次郎に、頬を染めながら口づけは初めてだとはにかみました。触れ合った唇から殿の温かさと優しさ、それに酔う心地しか知らないから怖いなどと思わないと言い出します。
吉次郎の方が照れくさくなりますが水松女は全然気付きません。屋鉄のことを口にしてしまったことを非礼だったと反省しました。
吉次郎は水松女の心の傷を憂いているので、癒やすためには屋鉄の話題は避けられないと承知しています。自分に気兼ねして口を閉ざしてしまうよりは、忌憚なく話して欲しいと伝えました。
天然小悪魔?
どんな時でも話し合って共に背負っていけば、こうして前に進む手伝いができるかもしれないと、吉次郎は触れ合った唇をとんと叩きます。水松女は口づけはお守りだと言いました。
殿を怖く思ってしまうことがあったとしても、前に進むことができるのだというお守りを下さったと言う水松女に、俺が欲張っただけかもしれないと返す吉次郎。
水松女を愛おしく思っているからこそ、加減を忘れてしまうこともあるかもしれないけれど、決して傷つけることはないと誓います。もし違えることがあれば、必ず言ってくれと強く念を押しました。
ところが水松女は、城に攻めてきたときの吉次郎の勇姿を、怖さを感じずに頼もしく思えたと言い出します。ん?と固まる吉次郎。そんな吉次郎をよそに、水松女は閨のことまで口にします。
不安だと言いながら、少しばかり加減がわからなくても…と頬を染めました。水松女はさらに続けます。自信がないのに軽々しく口にして申し訳ありませんとはにかみながら、これはそうであればいいという自分の希望だと…!
どんな顔をしていいのかわからない吉次郎。そのとき、いとが戻ってきて2人が寄り添っている姿に歓喜するのでした。
悪しき妻のままで
吉次郎は左馬之助と孫四郎を呼び、雪が解けたら婚礼を行うと告げました。仕切りは左馬之助に任せ、つゆに手伝わせるよう指示します。
そして孫四郎には、片腕として信じているからこそ見誤るなと言い含めました。しかし孫四郎はまだ納得していない様子…。
水松女が吉次郎に、今は悪しき妻でいたほうがいいと思うと言い出しました。ヒヤリとする吉次郎。でも『今は』と言ったので理由を訊ねました。
この領地は貧しく実入りも少ない上に、政治的にもあまり意味のある場所ではありません。それは水松女もよく知っています。
優れた武将である吉次郎がこんな辺鄙な領に押しやられていることを考えれば、兄が吉次郎を煙たい存在だと思っている証拠だと思いました。
その兄を油断させるためにも、暫くは悪しき妻の評判が立っていた方といいと判断したのです。吉次郎は感心し、『今は』と言った理由を問いました。
城を修復してひとまず領地を安定させるまででいいという水松女。吉次郎も悪評をそのままにしていたのは時間稼ぎが必要だと思っていたからです。
時が来れば悪しき妻は必要なくなると言う水松女に、吉次郎は『愛しき妻』が残るのだなと微笑みました。
水松女の提案
外に対しては悪しき妻のままがいいと思っている水松女ですが、家中のことを思うと違ってきます。自分のせいで家中を乱すことは本末転倒。そこで水松女はある提案をしました。
水松女は本宅に行かず滝見の間に引きこもることにしたのです。そのために滝見の間に竈(かまど)を作らせて欲しいとお願いしました。
信頼できる源太に手伝ってもらって準備を始めた水松女。源太には事情を知っている里のものにも以前と同じように自分と関わらないように言伝を頼みました。
水松女は様子を見に来た吉次郎にも、ここには来ないよう伝えますが、吉次郎は首を縦に振りません。水松女を愛しいと思っていることも隠したりしないときっぱりと告げる吉次郎。
そう言われて嬉しく感じる水松女ですが、悪しき妻は殿のおかげで籠もっていると思われるのもいい案だと言い出します。
あくまでも自分を犠牲にする水松女の言動に呆れつつ、俺の胸が痛むと嘆く吉次郎。水松女は恥ずかしそうにうつむいて、会いに来てくれて嬉しいと伝えました。
孫四郎の困惑
吉次郎は側近の家臣たちを集めた席で、水松女の提案を伝えました。そこに至った経緯もすべて知らせたところ、左馬之助は屋鉄の元で生き延びてきただけのことはあると感心します。
吉次郎は家臣に水松女の才を褒め上げて油断できない女ごだと評し、その献身も本物だということを知っていてもらいたいと告げました。
しかし落城の際、屋鉄の側女たちから水松女の悪評を聞かされていた孫四郎は信じられません。吉次郎から聞いた話も、水松女が自分のいいように言いくるめたとさえ思えます。それに女が城や戦に口出しをすることも気に入りません。
美与の誤解
孫四郎が庭を歩いていると、犬の鳴き声が聞こえてきました。犬を引いた家来に訊ねたところ、小屋から庫裏の裏に移す際に子犬が1匹居なくなったというのです。
子犬はなぜか滝見の間の縁側にいました。キュウキュウという鳴き声が聞こえたので水松女が縁側に出てみると、まだ目も開かない子犬が鳴いていたのです。
水松女は困惑しました。自分が触ってしまったら、匂いに気付いた母犬が子犬の面倒を見なくなってしまうかもしれません。戸惑っていると、そこへ母犬を連れた孫四郎がやってきました。
母犬はいきなり水松女に吠えかかります。縄を持っていた家臣を振り切り水松女に飛びかかってきました。その拍子に水松女は倒れ込み、騒ぎに気付いた侍女たちが駆け寄ります。
水松女は来てはダメだと訴えますが侍女たちは身を挺して水松女を庇いました。孫四郎が家来に犬を連れて行くよう命じ、なんとか事なきを得ます。侍女たちは水松女を案じて声をかけ続けました。
呆然と立っている孫四郎に、美与が堪忍袋の緒が切れたと言わんばかりに睨みつけます。どうやら孫四郎が犬をけしかけたと誤解している様子。卑怯者!恥を知りなさいと怒鳴りつけました。
悪し妻かたり6話~通わせた愛 感想
思いを伝えあったときの水松女の口から出た言葉は最高でした。キスが心地よかったとか、閨では多少加減がなくてもとか、決めてはそうなりたいと言っているとしか思えない煽り発言まで!
吉次郎のタジタジ顔も面白いです。いとが戻ってこなかったら吉次郎の理性が飛んでたかも!?まぁ、水松女のそんな天然発言を鵜呑みにはしないと思いますけどね。
孫四郎はなぜそこまで水松女に手厳しい?きっと屋鉄の側女は口を揃えて悪評を論ったとは思うけど、吉次郎にも無礼な態度を取るなと言われているし、自分が実際に水松女から何か言われたわけでもありません。
お付きの侍女やいとまで慕っているのを目にしているのにまだ疑ってます。人を見る目が無さすぎでは?吉次郎は孫四郎の忠義を信用して目をつぶっているけど、それなりの地位に就くことになるだろうから心配になりますよ!
悪し妻かたり6話 まとめ
今回は、「悪し妻かたり」第6話のストーリーや感想を紹介しました。
ところで、閨のときって呼ぶの?出向くの?